”陰陽師”といえば、2001年に公開された映画『陰陽師』が印象的である。
映画の中で陰陽師・安倍晴明が結界や術を駆使して活躍する姿は、見応えがありながらもどこか現実離れしていたかもしれない。
しかし、陰陽師も安倍晴明も実在しており、現代も陰陽師は存在しているという。
現代も陰ながら日本を守っているという、陰陽師の実態に迫った。
陰陽師・安倍晴明は実在した
そもそも『陰陽師』というのは、陰陽道専門の国家機関『陰陽寮』に勤める役人たちの事である。
陰陽寮は国や天皇を守るために設立され、その影響力は絶大なものであった。
奈良時代から明治時代まで存続した陰陽寮に勤めていた陰陽師は、現代でいうならば”国家公務員”という立場になる。
陰陽寮では天文学や薬学、霊能力や呪術を駆使して国を守れる人材が育成されていた。
その中でも安倍晴明が長けていたのが”陰陽術”であり、霊能力や呪術を駆使して日本の陰陽道を躍進させた。
もともと霊的な能力が突出していた安倍晴明は、4年ほどで陰陽道の知識や術のほとんどを身に付け、さらにそこから自己流の陰陽術をつくり上げていったのだ。
平安時代に活躍した安倍晴明は、その後の陰陽道の術の基盤を築き上げた。
陰陽師が張り巡らした東京結界
日本の首都であり、皇居がある東京は強力な結界によって守られているという。
皇居を中心とし、東京大神宮をはじめとする東京5社を繋ぐ五芒星による結界が張られているのだ。
五芒星には浄化と発展を促す力があるといわれていて、古くから結界として使われてきた。
東京5社だけでなく、スタバによって皇居を中心とした五芒星ができているという説もある。
どちらも皇居を中心に、結界として皇居を護っているのだろうか。
東京結界と呼ばれるものはこれだけではない。
JR山手線とJR中央本線の路線図をみてみると、陰陽道の”太極図”になっているのだ。
これは”鉄の結界”と呼ばれている。
”陰”と”陽”のバランスが崩れる事なく、スムーズに気が流れるようになっているのだろう。
これら”東京結界”が何らかの理由で乱れた時には、災いが起きるといわれている。
陰陽師は現代も実在!
陰陽師は明治時代以降は国家機関ではなくなった為、陰陽寮に在籍する”正式な陰陽師”という意味では、「もう陰陽師は存在していない」といえる。
しかし、陰陽師の血を引く家系は現代においても実在し、陰陽道に基づいて暦を作ったり、術や結界を駆使して活動している人がいるというのは事実だ。
陰陽師の血を引く人がいたとしても、公には”神主”や”住職”という立場の人などが多いのではないだろうか。
安倍晴明は7人以上の子供をもうけていたそうで、現代もそれらの家系のいくつかは後を継ぎ、陰で活躍しているという。
代々受け継がれてきた霊能力を使って、占いやお祓いを行う陰陽師も存在する。
陰陽師たちは現在も新しく結界を張ったり、結界のメンテナンスをしてくれている。
現在もきっと、陰陽師たちによって日本や皇居は守られているのだ。__